日々淡々

2017年4月〜

6/4

 

真昼野に見つけ泣きたい夏蜜柑

サングラス似合う郵便配達員

理科室のメトロノームへ月明かり

 

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しくみ

新学期マンホールから逃げられる

じゃんけんで鬼を呼べる子花に傷

印象派一粒が春  風集う

吐く夢を見た  泉には天ひとつ

坐禅くむだんだん増えていく蜆

オクラ茹であらゆる君と暮らしをり

空き瓶の用途君しか知らぬ夏

枇杷の種だろうか神様だろうか

夕焼けに折り畳まれている重機

秋天のからだは塔になりにけり

鈴虫や地球儀にない島を知る

風が鳴くクジラの親知らずが痛む

フランスパンしょっばき朝の十二月

「ください」にツキノワグマが眠ります

父親の私服二通り初観音

恋人の腋には腋毛山眠る

けどとても楽しい蚕であるきらら

春うららたまに感電するしくみ

「参りました」キャベツくたっと日曜日

紫陽花の光に許し合える午後

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《ビール》

 

今日は30℃近くまで気温が上がり、たまに吹く風が心地よかった。夜には止んでしまったけれど……。こんな暑い日にはビールだろうが未だに好きじゃない。年をとればだんだん良さがわかるようになると聞いていたけど、まだ全然だ。

真夏には無性に飲みたくなることもあるのだけれど、口に含めば「違う」となる。想像してたんとちゃう。苦い。泡がぶくぶくしてお腹にたまる。まずい。大勢で飲む席での一杯目は面倒臭くてついつい頼むけど、ほんとはビール以外を頼みたい。ビール以外はわりと美味しい。

私の家族は毎晩お酒を飲む。働く両親も、年金暮らしの祖父母も毎晩飲む。家には酒屋が来るので、ビールは大概瓶。けど最近は健康志向な缶ビールも増えた。

毎晩お酒を飲むという大人な知人に「何で毎晩飲むん?」「飲まへん日はないん?」と聞いたら、「毎晩飲む」「ないなぁ」と返された。ご飯中に飲まなくても、お風呂上がりには飲んでしまうらしい。飲むタイミングを見つけてしまうのだろう。習慣なのだ。

私の生活にお酒を飲むというタイミングがない。夕方寝こけて夜に眠気が降りない時は一杯飲もうかなぁ〜となるが、結局飲まずに夜更かしするのが常だ。家で飲むというのがとくに不慣れで、家で酔ってしまうのが恥ずかしいというのがある。

一時、日本酒が好きと公言していたことがある。あれは何だったのだろうと最近思う。確かに好きだったけど、あれは酔っ払って不自由になってしまうのが楽だったのだ。そうだ、酩酊してしまったのは大学院受験の浪人中に多かった。試験に落ちてから最初に飲んだお酒で、初めて吐いた。しかし吐いた記憶は薄っすら。その日におろした新品のサンダルのストラップは破壊。ストッキングは当たり前に破れていた。とにかくもう最悪な夜だった。

たぶん苦しい時のお酒はうまいのだ。お酒好きの友人も先輩も家族も、毎日何かを頑張っている、もしくは頑張って来たのだろう。なんとなく逃げられる。外からの重圧を内からの酔いが慰めてくれる。

私にお酒が必要でないのは、今は何の重圧が無いのもあるかもしれない。勿論大学生の頃のように、コミュニケーションツールとしてのお酒は好きだし人見知りの私には有り難い。今、私は何か頑張っているか。必死になれているか。答えはNOだ。日々をなんとなく過ごしてしまっている私に、ビールが美味しいと思える風はまだ吹かないらしい。

 

 

 

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5/10

 

わたしより可愛い服を着てわたし

せがまれてパフェの苺を君に刺す

 

 

 

 

 

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5/8

 

許される眠りにいつも沈丁花

 

短夜を跨ぐ煙草の二、三本

 

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5/6

 

鳥帰るあゝ東雲の湧き上がる

 

 

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5/4

 

もう一度産声あげて春の雷

蟇他人の空にある夕べ

缶チューハイ酔ったふりですホウセンカ

 

 

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